SDKインストール(v1.71以前を継続使用する場合)

 

目次


概要


AdamAppSDK(i-PRO AIカメラ向けアプリケーション開発キット)はLinux環境で動作します。

AdamAppSDK動作要件

  • 開発用PC    :x86_64(amd64)のPC

  • 開発用PCのOS :Ubuntu Linux 16.04 LTS (64bit版)
             Ubuntu Linux 18.04 LTS (64bit版)

  • 開発用言語   :C/C++, Python

本チュートリアルでは、開発用PCのOSがwindowsであった場合を想定して、仮想化ソフトウェアVirtualBoxとUbuntuのインストール手順を解説します。

※開発用PCのOSがUbuntuである場合は、SDK開発環境を構築するための準備 から始めてください。

VirtualBoxをインストールする


インストーラをダウンロードする

WebサイトからVirtualBoxのインストーラをダウンロードします。

Downloads – Oracle VirtualBox

チュートリアルでのインストール対象バージョン

  • VirtualBox 6.1.36 platform packages

「Windows hosts」をクリックすると、インストーラがダウンロードされます。

VirtualBoxをインストールする

ウィザードに従ってインストールを行います。

変更は必要ありません。

完了するとVirtual Boxが起動します。

Ubuntu環境を作成する


イメージファイルをダウンロードする

WebサイトからUbuntuのDesktopイメージファイルをダウンロードします。

http://releases.ubuntu.com/16.04/

http://releases.ubuntu.com/18.04/

チュートリアルでのインストール対象OS

  • Ubuntu 18.04.6 LTS

仮想マシンを作成する

VirturalBoxを起動し、「新規(N)」ボタンをクリックします。

仮想マシン名とOSタイプを選択します。

  • 仮想マシン名:任意

  • OSタイプ:Linux

  • バージョン:Ubuntu (64bit)

仮想マシン用のメモリを任意に割り当てます。推奨は1024MB以上です。

AIモデル変換ツールを使用する予定があれば、4096MB以上としてください。

仮想ハードディスクを作成します。

ハードディスクのファイルタイプは変更不要です。

仮想ハードディスクは、「可変サイズ」をお勧めします。

任意のサイズを設定します。

完了すると、仮想マシンが作成されます。

Ubuntuをインストールする

作成した仮想マシンにUbuntuをインストールします。

作成した仮想マシンを起動します。

起動したウィザードでフォルダマークをクリックします。

「追加」をクリックします。

ダウンロードしたイメージファイルを選択します。

「選択」をクリックします。

「起動」をクリックすると、インストールが始まります。

Ubuntuをセットアップする

Ubuntuの初期設定を行います。

言語を選択し、「Ubuntuをインストール」をクリックします。

キーボードレイアウトを選択して「続ける」をクリックします。

変更せずに「続ける」をクリックします。

変更せずに「インストール」をクリックします。

「続ける」をクリックします。

地域を選択して「続ける」をクリックします。

ログイン情報を設定して「続ける」をクリックします。

インストールが完了したらOSを再起動します。

再起動後Enterを入力し、起動できれば完了です。

 

外部と通信するためのネットワーク設定

VirtualBox の外部からネットワークアクセスを行うための設定を行います。なお、デフォルトで、NAT の設定がされていますので、その設定はそのままで利用してください。

VirtualBox を動作させている Windows PC と VirtualBox を通信させたい場合は、次の URL を参考にし て、Host only network の設定を行ってください。

http://christophermaier.name/blog/2010/09/01/host-only-networking-with-virtualbox

 

以上で仮想化ソフトウェアVirtualBoxとUbuntuの環境構築は完了です。

 

SDK開発環境を構築するための準備


ソフトウェアをダウンロードおよびインストールするための設定

各種ツール類を導入するために、Ubuntu のパッケージ管理システムである apt の設定を行います。

Proxy 経由でネットワーク接続されている場合、Proxy の設定を行います。(必要な環境のみ実施してください)

/etc/apt/apt.conf を以下のように変更します。

Acquire::http::proxy "http://my.http-proxy.co.jp:Port_Number";

Acquire::https::proxy "http://my.https-proxy.co.jp:Port_Number";

# http://my.http-proxy.co.jp:PortNumber と http://my.https-proxy.co.jp:Port_N umber には環境に応じた設定をしてください。

apt のパッケージ情報を更新します。

$ sudo apt-get update

 

ホストマシン用ツールをインストール

ホストマシン用ツール類のインストールを行います。具体的には、コンパイラやリンカ、アセンブラなど の開発用ツールチェーンや、各種ライブラリを導入します。 導入には、apt-get コマンドを用います。

g++ toolchain をインストールします。

$ sudo apt-get install g++

g++-multilib をインストールします。

$ sudo apt-get install g++-multilib

libjpeg パッケージをインストールします。

もう一度、g++-multilib をインストールします。

64-bit システム上で 32-bit バイナリを実行するためのパッケージをインストールします。

失敗した場合、下記コマンドも実行してください。

 

各ターゲットに応じたモジュールのインストール

i-pro の ambaCV2X モデル向けの AdamApp を作成するには、クロスコンパイラとして AdamAppSDK_ DevTools_YYYYMMDD.zip(こちらから取得できます)に含まれている Ambarella_Toolchain_Linaro_2018.08 をインストールしてく ださい。ambaCV2X モデル以外の場合は適宜読み替えてください。

コンパイラは、 AdamAppSDK_DevTools_YYYYMMDD/toolchain/Ambarella_Toolchain_Linaro_2018.08 にあります。なお、コンパイラは、Ubuntu 64bit 版のみです。

下記のように、このファイルを実行して、クロスコンパイラをインストールし てください。

VirtualBox上の環境の場合、共有ディレクトリ上ではインストールに失敗する可能性がありますので、Ubuntu上のディレクトリにてインストールしてください。

 

AdamAppSDK のインストール方法

AdamAppSDK のインストール

iPRO_CAMERA_SDK_Vx_xx.zip(こちらから取得できます)を、開発用 PC の任意の場所で展開してください。(Vx_xx の部分は、 AdamAppSDK のバージョンに応じた数値が入ります。)

これで、AdamAppSDK のインストールは完了です。

 

開発ライセンスの取得

市販されている i-PRO カメラには、本来、暗号化された AdamApp のみインストール可能です。 開発ライセンスを組み込んだ SDK を用いることで、暗号化されていない AdamApp を、特定の MAC ア ドレスを持つ i-PRO カメラへインストールすることが可能です。

こちらを参考にし、i-PRO 株式会社から開発ライセンスを入手してください。

開発ライセンスが入手できたら、 <AdamAppSDK のインストールディレクトリ>/conf/development.key

として保存してください。

 

サンプルアプリをビルドする

サンプルアプリ「additional_info_sample_app」をビルドして、カメラにインストールすることで、SDK開発環境の構築が完了しているか確認します。

必要最低限の手順のみ記載しているので、詳細な開発方法はこちらを参照してください。

 

ソースファイルと Makefile を生成する

AdamAppSDK では、AdamApp のソースコードは、
<AdamAppSDK の イ ン ス ト ー ル デ ィ レ ク ト リ >/src/adamapp
以下に置くことを前提としています。

その前提に従って、AdamAppSDK 付属のサンプルプログラム(additional_info_sample_app)のソースコード
は、
<AdamAppSDK の イ ン ス ト ー ル デ ィ レ ク ト リ >/src/adamapp/additional_info_sample_app
に配置されています。
このため、新規に AdamApp を作りたい場合は、
<AdamAppSDK のインストールディレクトリ>/src/adamapp/<新規 AdamApp のディレクトリ名>

のディレクトリを作成し、その下にソースコード、及び、ヘッダファイル、Makefile を作成・配置する
ようにしてください。

 

サンプルアプリをビルドする

ビルド用環境設定ファイルとして、setup_env.sh が用意されています。これを source コマンドを用い て読み込むことで、環境設定が完了します。その際、AdamApp を動作させる実行環境に応じて、引数 を指定する必要があります。

指定できる引数は下記の通りです。

i-pro ambaCV2X 用の AdamApp を作成する場合 ipro-ambaCV2X

下記に、それぞれの場合の詳細な手順を示します。

※[実機環境(i-pro ambaCV2X モデル)実行用の AdamApp を作成する場合]

 

make の実行(AdamApp のビルド&パッケージの作成)

続いて、AdamApp(追加アプリ)のビルドとパッケージ作成を行うために、make を実行します。
make を実行すると、ビルドとパッケージの作成を一気に行います。
make が成功した場合には、additional_info_sample_app ディレクトリ直下に、
AdditionalInfoSampleApp :additional_info_sample_app の実行プログラム
AdditionalInfoSampleApp.zip :additional_info_sample_app のパッケージ
AdditionalInfoSampleApp.ext :additional_info_sample_app.zip を Base64 化したもの
の 3 つのファイルが生成されます。

 

サンプルアプリの動作確認

作成した「AdditionalInfoSampleApp.ext」をカメラにインストールして動作確認します。

ここでは下記のようにWebブラウザからカメラにアクセスし、インストールを試します。

 

画像の緑枠からインストールします。ファイルの選択ボタンを押下し作成した

「AdditionalInfoSampleApp.ext」を選択し、インストールを実行します。

インストールが完了したら、画像の赤枠ボタンを押下しサンプルアプリの動作を確認します。

アプリ画面に以下の文字列が表示されていれば開発環境の構築は成功です。